WCSレポ~その5 観戦編
2011年8月21日 ポケカ決勝トーナメント観戦編
LCQに敗れた後はサイドイベントを中心に楽しんだり、日本人選手の応援をしたりで、あまり観戦はしていませんでしたが、2戦だけじっくりと観戦をしたので、レポします。
観戦1:決勝トーナメント一回戦 Sami(UK)vsRoss(US)
Samiは予選7戦全勝で1位突破、対するRossは予選16位突破。規定に従い、1位と16位が一回戦で当たる仕組みとなっています。
注目はSamiのデッキ「ヤンジバグドラ」
日本ではキャッチャーが収録されたためにシステムポケモンが機能し辛く、公式大会にてコンボデッキが活躍する機会はなく、結果、ヤンジバグドラのような複数のポケモンを場に揃えて強さを発揮するようなデッキは国内では皆無と言って良い状況でした。
噂に聞いていたヤンジバグドラと現地に来てからのヨーロッパの選手とのフリー対戦で何度か対戦した感想として、場が整うと強いもののプレイングが難しく、安定性もやや低いとの印象を受けましたが、ヨーロッパトップクラスのヤンジバグドラの構築とプレイングを見るべく、対戦卓横にポケモン親子さんと張り付きました。
ところが、結果は意外にもRossの勝ち。Rossはこの後、決勝戦まで勝ち進み惜しくも準優勝となるのですが、この環境で最も典型的なロックデッキである「ラフラン」を使っていました。Sami側も展開はできていましたが、ラフランロックを崩しきる事ができず、予選1位のSamiはここで敗退となりました。
デッキについて、まずヤンジバグドラから。
ピィでじっくりと場を整えます(相手がラフランと言う事もあったと思いますが)。前ピィでベンチにはヤンマ・グドラ・グドラ・ジバコ・ジバコを並べていました。恐らくジバコ3:2:3、グドラ3:1:2あたりと思われます。ヤンマは厚くても3:3で精一杯ではないかと。
退化技のジラーチも投入されているため、エネ構成は 超3、虹4、雷3ぐらいと思われます。水はなし。
序盤はしぶき+直撃弾でHP50組を刈ってサイドを取りに行きます。中盤はしぶきと直撃弾で大型ポケモンにダメカンを乗せておき、退化orロストバーン2枚で倒せるように調整をして、ジバコで止めをさします。特にレシバクとの対戦ではレシラムに30乗せておき、2枚ロストで1:2交換としていました。
このロスト枚数3枚or2枚の違いは大きく、2枚とする事で、エネの枯渇を防ぐ事ができます。ジラーチのPPはロストバーンの威力アップにも使われます。
サポはコレクター、新理論など一般的な構成ですが、Samiのデッキにはボウズが多めに投入されていました。縦引きはジバコとは相性が良くなく、無駄にできるリソースも多くはないと思いますが、アメと2進化を同時に掴むための選択と思われます。
もうこの環境でデッキを組む事はないため、使う事はないと思いますが、時間があれば個人的に煮詰めたいデッキの一つでした。
次にRossのラフラン。
観戦をしていたら、Rossの友人と名乗る青年が「同じデッキだよ」と私たちにデッキを見せてくれました。ポケモンのラインなど、いくつか質問をしながらデッキの中身を見せて貰ったので、少し記憶が曖昧になってきていますが、覚えている範囲で記載します。間違ってたらすいません^^;
(2位になったデッキなので、その内にどこかで公開されると思います)
ドンファンゼクロムスイエンラフランハピナス
2ピチュ
2ピィ
2ゼクロム
2:2ドンファン
1:1スイエンLEGEND
3:2:2ラフレシア
3:2:2ランクルス
1:1ハピナス
ポケモン28
3通信
3アメ
1トロピカルウィンド
トレーナーズ7
4コレクター
4ふたご
3ボウズ
1探究者
2ウツギ
2まねむす
サポ16
2闘
4虹
3二個玉
エネ9
基本ゼクロムを壁にして、出てきたジバコにはドンファン、エンブレックにはスイエンを壁にします。ドンファンで早めにダメカンを撒いておけば、レックデオも逆鱗でカウンターできます。スイエンはグドラ・レシラムへの対策も兼ねています。場のダメカンが溢れそうな場合にはハピナスを使用。ラインの薄さが際立ちますが、世界環境への対策をすべて盛り込んだデッキでした。
構築はオーソドックスですが、このデッキにもボウズが3枚入っていました。世界大会での予選30分の制限時間の中で勝ち上がってきたので、タイムマネージメントもしっかりしているのでしょうね。
次に決勝戦の観戦です。全クラスがモニターに映し出されるのですが、当然マスターに注目しました。
観戦2:決勝戦(マスター) David Cohen(us) vs Ross(US)
マスターはジバコエンブレックデオvsドンゼクラフランの対戦となりました。1戦目はジバコとレックデオをきちんと準備したCohenが勝ち。お互いに場が整ってからは詰め将棋を見ているようでした。
2戦目はレックデオが立たず(恐らくサイド落ち)、ジバコがドンファンにカウンターされて、止むなくエンブオーで殴りに出ますが、当然どうにかなる筈もなくRossの勝ち。
サドンデスとなった3戦目は2ターン目にジバコが立つ引き運の強さで、ロストバーンでCohenが世界一となりました。
ジバコエンブは世界戦前に仲間内で最も検討したデッキでしたが、LCQの時間制限の前に私は使用を諦めたデッキでした。使ったのはちゃないさんとSHOGO君のみ。
ジバコエンブが世界を取って嬉しい気持ちと悔しい気持ちの半々な感じです。とは言っても、魔法のように場が整う様子は、自分達が組んだものとは全く別のデッキを見ているようでしたが。
あと、構築面で一つ驚いたのがリバース。私はジバコエンブであっても特にミラー戦で必須のカードと思っていましたが、WCS公式サイドのCohenのインタビューで「僕はコインが嫌いだからリバースは入れてないんだ」と書かれています。
http://www.pokemonworldchampionships.com/2011/updates/article/day3/pokmon-tcg-world-champions-crowned
尚、シニアとジュニアは同じマッチアップ「ヤンジバグドラ対バクレシ」でしたが、シニアではバクレシが、ジュニアではヤンジバグドラが勝つ結果となりました。
両クラスともバクレシは良く廻っていましたが、それをいなすヤンジバグドラ側のプレイングが目を引きました。シニアでは一応バクレシが勝ちましたが、全体的にヤンジバグドラが優勢で、中盤に調子良くババババーンし過ぎてエネが枯渇して終盤止まってしまったのが敗因と思います。
以上より、マスターのSamiと併せて、環境の解としては、しっかりと調整されたヤンジバグドラがバクレシを退けてトップメタとの印象を受けました。これらの環境をすべてアンチしたRossのラフランは凄すぎですが、マニアックなので万人受けはしないでしょうね^^;
さて、最後にサイドイベント、大和杯、大会形式に対する余談などを書いてレポをしめたいと思います。
LCQに敗れた後はサイドイベントを中心に楽しんだり、日本人選手の応援をしたりで、あまり観戦はしていませんでしたが、2戦だけじっくりと観戦をしたので、レポします。
観戦1:決勝トーナメント一回戦 Sami(UK)vsRoss(US)
Samiは予選7戦全勝で1位突破、対するRossは予選16位突破。規定に従い、1位と16位が一回戦で当たる仕組みとなっています。
注目はSamiのデッキ「ヤンジバグドラ」
日本ではキャッチャーが収録されたためにシステムポケモンが機能し辛く、公式大会にてコンボデッキが活躍する機会はなく、結果、ヤンジバグドラのような複数のポケモンを場に揃えて強さを発揮するようなデッキは国内では皆無と言って良い状況でした。
噂に聞いていたヤンジバグドラと現地に来てからのヨーロッパの選手とのフリー対戦で何度か対戦した感想として、場が整うと強いもののプレイングが難しく、安定性もやや低いとの印象を受けましたが、ヨーロッパトップクラスのヤンジバグドラの構築とプレイングを見るべく、対戦卓横にポケモン親子さんと張り付きました。
ところが、結果は意外にもRossの勝ち。Rossはこの後、決勝戦まで勝ち進み惜しくも準優勝となるのですが、この環境で最も典型的なロックデッキである「ラフラン」を使っていました。Sami側も展開はできていましたが、ラフランロックを崩しきる事ができず、予選1位のSamiはここで敗退となりました。
デッキについて、まずヤンジバグドラから。
ピィでじっくりと場を整えます(相手がラフランと言う事もあったと思いますが)。前ピィでベンチにはヤンマ・グドラ・グドラ・ジバコ・ジバコを並べていました。恐らくジバコ3:2:3、グドラ3:1:2あたりと思われます。ヤンマは厚くても3:3で精一杯ではないかと。
退化技のジラーチも投入されているため、エネ構成は 超3、虹4、雷3ぐらいと思われます。水はなし。
序盤はしぶき+直撃弾でHP50組を刈ってサイドを取りに行きます。中盤はしぶきと直撃弾で大型ポケモンにダメカンを乗せておき、退化orロストバーン2枚で倒せるように調整をして、ジバコで止めをさします。特にレシバクとの対戦ではレシラムに30乗せておき、2枚ロストで1:2交換としていました。
このロスト枚数3枚or2枚の違いは大きく、2枚とする事で、エネの枯渇を防ぐ事ができます。ジラーチのPPはロストバーンの威力アップにも使われます。
サポはコレクター、新理論など一般的な構成ですが、Samiのデッキにはボウズが多めに投入されていました。縦引きはジバコとは相性が良くなく、無駄にできるリソースも多くはないと思いますが、アメと2進化を同時に掴むための選択と思われます。
もうこの環境でデッキを組む事はないため、使う事はないと思いますが、時間があれば個人的に煮詰めたいデッキの一つでした。
次にRossのラフラン。
観戦をしていたら、Rossの友人と名乗る青年が「同じデッキだよ」と私たちにデッキを見せてくれました。ポケモンのラインなど、いくつか質問をしながらデッキの中身を見せて貰ったので、少し記憶が曖昧になってきていますが、覚えている範囲で記載します。間違ってたらすいません^^;
(2位になったデッキなので、その内にどこかで公開されると思います)
ドンファンゼクロムスイエンラフランハピナス
2ピチュ
2ピィ
2ゼクロム
2:2ドンファン
1:1スイエンLEGEND
3:2:2ラフレシア
3:2:2ランクルス
1:1ハピナス
ポケモン28
3通信
3アメ
1トロピカルウィンド
トレーナーズ7
4コレクター
4ふたご
3ボウズ
1探究者
2ウツギ
2まねむす
サポ16
2闘
4虹
3二個玉
エネ9
基本ゼクロムを壁にして、出てきたジバコにはドンファン、エンブレックにはスイエンを壁にします。ドンファンで早めにダメカンを撒いておけば、レックデオも逆鱗でカウンターできます。スイエンはグドラ・レシラムへの対策も兼ねています。場のダメカンが溢れそうな場合にはハピナスを使用。ラインの薄さが際立ちますが、世界環境への対策をすべて盛り込んだデッキでした。
構築はオーソドックスですが、このデッキにもボウズが3枚入っていました。世界大会での予選30分の制限時間の中で勝ち上がってきたので、タイムマネージメントもしっかりしているのでしょうね。
次に決勝戦の観戦です。全クラスがモニターに映し出されるのですが、当然マスターに注目しました。
観戦2:決勝戦(マスター) David Cohen(us) vs Ross(US)
マスターはジバコエンブレックデオvsドンゼクラフランの対戦となりました。1戦目はジバコとレックデオをきちんと準備したCohenが勝ち。お互いに場が整ってからは詰め将棋を見ているようでした。
2戦目はレックデオが立たず(恐らくサイド落ち)、ジバコがドンファンにカウンターされて、止むなくエンブオーで殴りに出ますが、当然どうにかなる筈もなくRossの勝ち。
サドンデスとなった3戦目は2ターン目にジバコが立つ引き運の強さで、ロストバーンでCohenが世界一となりました。
ジバコエンブは世界戦前に仲間内で最も検討したデッキでしたが、LCQの時間制限の前に私は使用を諦めたデッキでした。使ったのはちゃないさんとSHOGO君のみ。
ジバコエンブが世界を取って嬉しい気持ちと悔しい気持ちの半々な感じです。とは言っても、魔法のように場が整う様子は、自分達が組んだものとは全く別のデッキを見ているようでしたが。
あと、構築面で一つ驚いたのがリバース。私はジバコエンブであっても特にミラー戦で必須のカードと思っていましたが、WCS公式サイドのCohenのインタビューで「僕はコインが嫌いだからリバースは入れてないんだ」と書かれています。
http://www.pokemonworldchampionships.com/2011/updates/article/day3/pokmon-tcg-world-champions-crowned
尚、シニアとジュニアは同じマッチアップ「ヤンジバグドラ対バクレシ」でしたが、シニアではバクレシが、ジュニアではヤンジバグドラが勝つ結果となりました。
両クラスともバクレシは良く廻っていましたが、それをいなすヤンジバグドラ側のプレイングが目を引きました。シニアでは一応バクレシが勝ちましたが、全体的にヤンジバグドラが優勢で、中盤に調子良くババババーンし過ぎてエネが枯渇して終盤止まってしまったのが敗因と思います。
以上より、マスターのSamiと併せて、環境の解としては、しっかりと調整されたヤンジバグドラがバクレシを退けてトップメタとの印象を受けました。これらの環境をすべてアンチしたRossのラフランは凄すぎですが、マニアックなので万人受けはしないでしょうね^^;
さて、最後にサイドイベント、大和杯、大会形式に対する余談などを書いてレポをしめたいと思います。
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